登記簿謄本をオンラインで取得してほしいということを不動産会社などから言われることがあるかもしれません。
「登記簿謄本のオンラインでの取得」は「登記事項証明書のオンラインでの取得」と同じ意味になります。
今回は登記簿謄本(登記事項証明書)のオンライン取得の方法について解説します。
登記簿謄本と登記事項証明書は同じものを指すことがほとんど
「登記簿謄本をオンラインで取得してほしい」と依頼されて調べても登記簿謄本をオンラインで取得する方法が厳密にいうと現在ありません。
現在取得できるのはほとんどが登記簿謄本ではなく、登記事項証明書という書類です。
違いとしては登記簿謄本は登記簿のコピーであり登記事項証明書はデータ化された登記情報を印刷した書類です。
現在日本の不動産のほとんどの登記がデータ化されているため法務局から発行される書類は登記簿謄本ではなく登記事項証明書となります。
ただ慣習として登記事項証明書のことを登記簿謄本と呼ぶ方も多く、「登記簿謄本をオンラインで取得してほしい」といわれることがあるのです。
そのため、「登記簿謄本をオンラインで取得する」ということは「登記事項証明書をオンラインで取得する」と同じ意味ととらえて問題ないでしょう。
登記簿謄本(登記事項証明書)をオンラインで取得する方法
※便宜上この記事では登記簿謄本と記載しますが、実際取得できるのは登記事項証明書です。
登記簿謄本(登記事項証明書)はオンラインで取得可能です。
取得方法としては、「登記・供託オンライン申請システム」から申請が可能です。
「登記・供託オンライン申請システム」とは
登記・供託オンライン申請システムとは法務省が管轄しているオンラインで登記事項証明書の取得ができる「登記ねっと」と供託手続ができる「供託ねっと」で成り立っています。
登記簿謄本(登記事項証明書)を取得するのであれば登記ねっとからオンライン取得ができます。
登記簿謄本(登記事項証明書)を登記・供託オンライン申請システムで取得する方法
登記簿謄本(登記事項証明書)を登記・供託オンラインシステムで取得する概要としては以下の通りです。
- 登記・供託オンラインシステムに初期登録を行う
- 取得したい地番または家屋番号を登記簿謄本(登記事項証明書)で申請する
- 費用の振り込みを行う
- 郵送されるのを待つorオンラインダウンロードor法務局の窓口に取りに行く
上記のような流れです。
手間となるのが「1.登記・供託オンラインシステムに初期登録を行う」です。
この部分を乗り超え2の申請は手間こそかかるものの必要事項を入力するだけなので対応可能です。
「3.費用の振り込みを行う」に関しても通常の振り込みとは異なるので難しい方がいらっしゃるかもしれません。
「4.郵送されるのを待つ」は法務局から登記簿謄本(登記事項証明書)が届くのを待つだけです。
いずれにしろ申請は非常に手間で煩雑です。
「2.取得したい地番または家屋番号を登記簿謄本(登記事項証明書)で申請する」に関しては、登記ねっとの「かんたん証明書請求体験コーナー」で取得の疑似体験をすることができます。
取得画面の遷移に関しては、民亊法務協会が運営している登記情報提供サービスと前半はほぼ同じなので、「登記情報提供サービスの使い方を画像付きで解説 登記事項証明書の全部事項証明書の取得方法」を参考にしてみてください。
登記簿謄本(登記事項証明書)をオンラインで取得できる日数
登記簿謄本(登記事項証明書)を登記ねっと経由で取得する場合、登記ねっとから申請し、支払いを行ったのち数日で郵送がされます。
目安としては、費用の振り込みが完了してから1~3営業日程度です。
登記情報提供サービスとはことなり一時利用のような簡易機能はありませんが、個人登録のように登録料がかかったり、アカウントが発行されるまで日数がかかるということはありません。
ただし、上記でも説明していますが、初回登録は登記情報提供サービスよりも手間がかかります。
スマホで登記簿謄本(登記事項証明書)をオンライン取得はできない
オンラインで登記・供託オンライン申請システムで取得できると記載しましたが、オンラインには条件があります。
オンラインといっても基本的にはパソコンを想定しており、スマホでは取得ができません。
条件としては、Windows環境とInternet Explorer 11が必要です。
そのため、iPhoneなどのスマホでは残念ながら取得ができないのが現状です。
オンラインでは取得はできるとはいえ非常に不便で初回登録にも様々な環境をパソコンにインストールする必要があります。
パソコンが苦手だったり、手間がかかる人は法務局へ行き登記簿謄本(登記事項証明書)を申請するか、最寄りの行政書士などに依頼するのが早いかもしれません。
登記簿謄本(登記事項証明書)を取得するのにかかる費用は
登記簿謄本(登記事項証明書)を取得するのにかかる費用はオンラインで取得申請した場合やや安いです。
オンラインではなく、直接法務局の窓口に行き登記簿謄本(登記事項証明書)を取得する書面請求の場合600円かかります。(書面請求)
直截法務局の窓口で登記簿謄本を取得する方法は「法務局での登記簿謄本(登記事項証明書)の取得方法 土地建物、マンションの不動産登記や閉鎖謄本など解説」に詳しく解説しています。
一方、オンラインで登記・供託オンライン申請システムから申請を行い自宅などへ郵送してもらう場合は500円です。(オンライン請求・送付)
また、オンラインで登記・供託オンライン申請システムから申請を行い法務局などの窓口に取り行く場合は480円です。(オンライン請求・窓口交付)
オンラインではなく、最初から登記簿謄本(登記事項証明書)を取得に法務局に行くのとオンラインで登記簿謄本(登記事項証明書)を取得し郵送してもらうでは100円の差しかないので、このオンラインシステムのメリットとしては法務局に行く時間が避けられるといったところだと思います。
登記簿謄本(登記事項証明書)をオンラインでの取得方法 日数やスマホは可否についてのまとめ
登記簿謄本は現在は登記事項証明書といいデジタルデータ化されています。
登記簿謄本をオンラインで取得する方法は登記・供託オンライン申請システムを利用する方法です。
登記・供託オンライン申請システムであれば法務局の窓口に行かなくとも登記簿謄本の取得が可能です。
登記・供託オンライン申請システムで登記簿謄本の取得にかかる1~3営業日程度の数日かかります。
現在はパソコンのみが対応しておりオンラインでもスマホでは取得はできません。
また、登記・供託オンライン申請システムの初期設定が複雑で初めてオンラインで登記簿謄本を取得する場合手間がかかるかもしれません。
その場合、行政書士に委託依頼するのも方法の一つだと思います。
登記簿謄本をオンラインで取得する費用はオンラインで申請し窓口で取得する場合480円、オンラインで申請し自宅などに郵送してもらう場合500円かかります。
オンラインを利用せずに直接法務局に出向き登記簿謄本を取得する場合は600円の費用がかかります。
登記簿謄本ではなく、同じ情報が掲載されている登記情報でよければ民亊法務協会が運営している登記情報提供サービスから取得する方法もあり、オンラインで登記簿謄本を取得する方法はさまざまあります。
登記・供託オンライン申請システムの初回登録は時間がかかりますが、ぜひオンラインで登記簿謄本の取得にチャレンジしてみてくださいね。
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