滅失(めっしつ)とは、不動産登記において、建物を物理的に壊して存在しなくすることを指します。簡単に言えば、建物が「イチからゼロ」になる状態です。建物が取り壊されたり、自然災害などで完全に消失した場合、その事実を登記簿に反映させる手続きが「滅失登記」です。この手続きを行うことで、登記簿上に建物が存在しない状態が記録され、建物の登記は「閉鎖謄本」として扱われるようになります。
「閉鎖謄本」とは、建物が登記簿から正式に抹消された後も、その建物に関する過去の記録を残すためのものです。たとえば、その建物がかつて存在していたことや、所有者の情報などが記録されていますが、もはや有効な登記として扱われることはありません。
滅失登記を行うのは、主に以下のような場合です:
- 建物を取り壊した場合
 建物の老朽化や土地の再利用のために建物を取り壊した際、滅失登記を行います。
- 自然災害などで建物が消失した場合
 地震や火災、洪水などで建物が完全に消失した場合も滅失登記が必要です。
滅失登記を怠ると、登記簿上では建物が存在しているとみなされ続けるため、法的に誤解が生じる可能性があります。例えば、土地を売買する際に、建物がないにもかかわらず、登記上は建物があると表示されていると、取引がスムーズに進まなくなることがあります。そのため、建物がなくなったら速やかに滅失登記を行うことが重要です。
このように、滅失は不動産に関する重要な手続きであり、建物がなくなったことを正式に登記上で処理するためのものです。
