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不動産登記法の基礎知識初心者にもわかりやすく解説

不動産に関することって、なんだか難しそう…そう感じている方は多いのではないでしょうか。
特に「登記」と聞くと、専門用語ばかりで敬遠してしまいがちですよね。
でも、実は不動産登記は、あなたが不動産を所有したり、誰かから譲り受けたり、あるいは売却したりする際にとても大切になる手続きなんです。
この手続きを理解しているかどうかで、不動産を巡るトラブルを防いだり、自分の権利をしっかり守ったりできるようになります。
このガイドでは、そんな不動産登記法の基礎知識を、専門的な内容は避けながら、初心者の方にも「なるほど!」と納得していただけるようにわかりやすく解説していきます。
不動産登記がなぜ必要なのか、どんな種類があるのか、費用はどれくらいかかるのかなど、知っておきたいポイントを丁寧にお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。

目次

不動産登記法ってそもそも何?なぜ必要なの?

不動産登記法は、私たちが土地や建物を安全に取引したり、自分のものだと社会に示したりするための大切なルールを定めた法律です。
普段あまり意識することはないかもしれませんが、不動産という高価な財産を扱う上で、この法律が私たちの権利を守ってくれています。
例えば、あなたが家を買ったとします。
代金を支払って鍵を受け取っただけでは、実はまだ法的に完全にあなたのものになったとは言えない場合があります。
これを第三者、例えばあなたの家を売った人が別の誰かに二重に売ってしまったような場合に、「この家は私のものだ!」と主張するためには、「登記」という手続きが必要になるのです。
登記をすることで、その不動産が誰のものであるか、どんな状態であるかなどが公に記録され、誰でも確認できるようになります。
これにより、不動産の取引が安全に行われ、私たち一人ひとりの財産がしっかりと守られる仕組みになっているのです。

不動産登記法の目的と役割を初心者向けに解説

不動産登記法の最も大きな目的は、不動産に関する権利関係をはっきりさせて、安全で円滑な取引を可能にすることです。
考えてみてください。
もし登記という制度がなかったら、ある土地や建物が本当にその売主のものであるか、借金(抵当権など)がついていないかなどを、買い手はどうやって確認すれば良いでしょうか。
もしかしたら、売主はもうその不動産を他の人に売ってしまっているかもしれません。
登記制度があることで、法務局に備え付けられた登記簿を見れば、その不動産の現在の所有者は誰か、いつどのようにして所有権を取得したのか、抵当権は設定されているか、といった情報を誰でも知ることができます。
これを「公示」と呼びます。
この公示によって、不動産に関する権利関係が明確になり、私たちは安心して不動産を売買したり、担保に入れたりすることができるようになるのです。
登記は、まさに不動産取引の透明性を高め、私たちの財産権を守るための土台となる役割を果たしています。

登記簿に書かれていること(表題部、権利部)

登記簿には、その不動産に関する様々な情報が記録されています。
大きく分けて、「表題部」「権利部(甲区・乙区)」の三つのパートがあります。
表題部には、不動産の物理的な状況が書かれています。
例えば、土地であれば所在、地番、地目(土地の用途、例えば宅地や畑など)、地積(面積)などが、建物であれば所在、家屋番号、構造、床面積などが記載されます。
これにより、その不動産が「どこに」「どんな形で」「どれくらいの大きさで」存在するのかが分かります。
次に権利部です。
権利部はさらに甲区と乙区に分かれています。
甲区には、所有権に関する情報が記録されます。
いつ、誰から誰へ所有権が移転したか、現在の所有者は誰かなどがここに記載されます。
不動産の持ち主が誰であるかを知るには、この甲区を見れば良いのです。
乙区には、所有権以外の権利に関する情報が記録されます。
例えば、不動産を担保にお金を借りた際に設定される抵当権や、賃借権などが記載されます。
この乙区を見れば、その不動産に借金の担保などが設定されているかどうかが分かります。
これらの情報が登記簿に記録され、誰でも確認できるようになっているからこそ、私たちは安心して不動産取引ができるのです。

登記をしないとどうなる?その重要性

不動産に関する権利変動があった際に登記をすることは、実は義務ではない場合が多いです。
例えば、土地や建物を売買して所有権が移転した場合、すぐに登記をしなくても罰則はありません。
しかし、登記をしないことには大きなリスクが伴います。
最も重要なのは、「対抗力」が得られないということです。
対抗力とは、自分の権利を第三者に対して主張できる力のことです。
もしあなたが不動産を購入したのに登記をしていなかったとします。
その間に、元の所有者がその不動産を別の第三者にも売ってしまい、その第三者が先に登記を済ませてしまった場合、あなたは自分がその不動産の所有者であると、登記をした第三者に対して主張することが原則としてできません。
つまり、せっかくお金を出して買った不動産を失ってしまう可能性があるのです。
これは非常に怖いことですよね。
また、相続で不動産を取得した場合も、登記をせずに放置していると、いざ売却しようとした際に手続きが複雑になったり、他の相続人が勝手に自分の持分だけを売却してしまったりといったトラブルにつながる可能性があります。
このように、登記は自分の大切な財産を守り、将来のトラブルを防ぐために、非常に重要な手続きなのです。

不動産登記の種類とそれぞれの役割

不動産登記と一口に言っても、実は様々な種類があります。
不動産の状況や権利に変化があった際に、その内容を登記簿に正確に反映させるために、状況に応じた登記手続きが必要になります。
例えば、新しく建物を建てた時、土地や建物を売買したり相続したりした時、あるいは住宅ローンを完済した時など、人生の様々な節目で登記が必要になることがあります。
それぞれの登記には異なる目的と役割があり、適切に行うことで、あなたの権利を保護し、安心して不動産を所有・管理できるようになります。
ここでは、不動産登記の中でも特によく見聞きする主な種類について、その役割と必要になるタイミングを分かりやすく解説していきます。
これらの登記の種類を知っておくことで、ご自身やご家族が不動産に関わる際に、どのような手続きが必要になるのかをイメージできるようになるはずです。

こんな時に必要!主な登記の種類

不動産登記には非常に多くの種類がありますが、ここでは特に代表的なものをいくつかご紹介します。
まず、新築の建物を建てた際に必要になるのが「所有権保存登記」です。
これは、まだ誰も所有権の登記をしたことがない不動産について、初めて所有権を登記する手続きです。
これにより、その建物があなたの所有物であることが公に記録されます。
次に、不動産を売買したり、贈与を受けたり、相続したりした場合に必要になるのが「所有権移転登記」です。
これは、不動産の所有者がAさんからBさんへ変わったことを登記簿に反映させる手続きです。
この登記をすることで、新しい所有者が第三者に対して自分の所有権を主張できるようになります。
また、住宅ローンを組む際に、購入する不動産を担保とするのが一般的ですが、この際に必要になるのが「抵当権設定登記」です。
これは、もし借金の返済ができなくなった場合に、金融機関がその不動産から優先的に返済を受ける権利(抵当権)が設定されたことを示す登記です。
住宅ローンを完済した際には、この抵当権を消すための「抵当権抹消登記」が必要になります。
これらの登記は、不動産取引や所有権の変動に伴って発生する、非常に基本的な登記です。

住所や氏名が変わったら?変更登記

不動産登記は、所有権の移転や抵当権の設定といった権利に関するものだけでなく、登記簿に記載されている所有者の情報が変わった場合にも必要になります。
代表的なのが、引っ越しなどで住所が変わった場合や、結婚などで氏名が変わった場合です。
この場合に必要になるのが「登記名義人表示変更登記」という手続きです。
これは、登記簿に記録されている所有者の氏名や住所といった「表示」に関する情報を、現在の正しい情報に修正するための登記です。
「あれ?所有権が変わったわけじゃないのに、なんで登記が必要なの?」と思うかもしれません。
これは、将来その不動産を売却したり、担保に入れたりする際に、登記簿上の所有者情報と現在の情報が一致していないと、スムーズに手続きを進めることが難しくなるためです。
例えば、登記簿上の住所が古いままになっていると、あなたが本当にその不動産の所有者であることを証明するために余分な書類が必要になったり、手続きに時間がかかったりする可能性があります。
また、相続が発生した場合にも、亡くなった方の住所や氏名が登記簿と異なっていると、相続登記の手続きが複雑になることがあります。
住所や氏名が変わった際には、後々の手続きを円滑に進めるためにも、早めにこの表示変更登記を行っておくことがおすすめです。

相続や贈与で不動産を取得した場合の登記

不動産を相続したり、親や親戚などから贈与を受けたりした場合にも、所有権移転登記が必要になります。
特に相続登記は、2024年4月1日から義務化され、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に登記申請をしなければならないことになりました。
これは、所有者不明の土地が増えることを防ぎ、不動産の円滑な流通を促進するための重要な法改正です。
相続登記をせずに放置しておくと、時間が経つにつれて相続人が増えたり、連絡が取れない相続人が出てきたりして、いざ登記をしようと思っても非常に複雑な手続きが必要になるケースが多く見られます。
私の知人の話ですが、祖父名義の土地の相続登記を30年近く放置していたところ、その間に父も亡くなり、さらに叔父叔母も亡くなって孫の世代まで相続人が増えてしまい、全員の戸籍を集めたり遺産分割協議をやり直したりするのに多大な時間と費用がかかってしまったそうです。
贈与の場合も同様で、贈与を受けたにも関わらず登記を怠っていると、贈与者が亡くなってしまったり、贈与者と連絡が取れなくなったりした場合に、登記が難しくなる可能性があります。
相続や贈与で不動産を取得した際には、義務化された相続登記はもちろん、贈与登記も早めに手続きを進めることが、将来のトラブルを防ぐ鍵となります。

不動産登記にかかる費用と自分でやる?専門家に頼む?

不動産登記には、いくつかの費用がかかります。
大きく分けて、国に納める税金(登録免許税)と、専門家である司法書士に手続きを依頼した場合に支払う報酬です。
これらの費用は登記の種類や不動産の評価額などによって変わってきますが、決して安い金額ではありません。
そのため、「自分で登記手続きをすれば、司法書士に払う報酬分を節約できるのではないか?」と考える方もいらっしゃるでしょう。
確かに、法律上は自分で登記申請をすることも可能です。
しかし、専門的な知識が必要だったり、複雑な書類作成が伴ったりするため、自分で全ての手続きを行うのは簡単ではありません。
ここでは、登記にかかる費用の内訳を解説するとともに、自分で登記をする場合と専門家である司法書士に依頼する場合のそれぞれのメリット・デメリットについて詳しく見ていきます。
ご自身の状況に合わせて、どちらの方法を選ぶのが最適なのかを判断する参考にしてください。

登記費用の内訳を解説

不動産登記にかかる主な費用は、「登録免許税」と「司法書士報酬」です。
登録免許税は、登記の種類や不動産の固定資産評価額、あるいは債権額(抵当権設定の場合の借入額)に基づいて計算され、国に納める税金です。
例えば、不動産売買による所有権移転登記の場合、原則として固定資産評価額の2%が登録免許税としてかかります。
相続による所有権移転登記の場合は、固定資産評価額の0.4%です。
抵当権設定登記の場合は、債権額の0.4%が一般的です。
この登録免許税は、自分で登記手続きを行う場合でも、司法書士に依頼する場合でも必ず発生する費用です。
もう一つの大きな費用が司法書士報酬です。
これは、登記申請手続きを司法書士に依頼した場合に支払う手数料です。
司法書士報酬には定まった報酬規定はなく、それぞれの司法書士事務所が自由に定めています。
そのため、依頼する事務所によって金額が異なります。
一般的には、登記の種類や手続きの複雑さ、不動産の価格などによって報酬額が変わってきます。
例えば、所有権移

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