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増築登記の方法と注意すべきポイントを詳しく解説

ご自宅をより快適に、あるいはライフスタイルの変化に合わせて増築された皆様、工事の完成おめでとうございます。
新しい空間で過ごす時間は、きっと暮らしを豊かにしてくれることでしょう。
しかし、増築工事が完了した後に忘れてはならない大切な手続きがあります。
それが「増築登記」です。
この登記は、単なる手続きではなく、お客様の財産である建物の正確な情報を公的に記録し、権利を守るために不可欠なものです。
増築登記の方法と注意すべきポイントを詳しく解説することで、手続きをスムーズに進め、将来的なトラブルを避けることができます。
この記事では、増築登記の必要性から具体的な申請方法、そして見落としがちな注意点まで、初心者の方にも分かりやすく丁寧にご説明します。
ぜひ最後までお読みいただき、安心安全な不動産所有にお役立てください。

目次

増築登記とは?なぜ必要なのか徹底解説

増築登記とは、建物が増築された際に、その変更内容を不動産登記簿に反映させる手続きのことです。
不動産登記簿は、土地や建物の所在、地番、地目、構造、床面積、所有者などが記録されている公的な帳簿であり、私たちの財産である不動産の権利関係を明らかにする重要なものです。
建物が増築されると、当然ながら床面積や構造、場合によっては種類(用途)も変わります。
これらの変更を登記簿に正確に反映させなければ、登記簿上の情報と実際の建物の状態が一致しない「登記簿と現況の不一致」が生じてしまいます。
この不一致は、単に書類上の問題にとどまらず、後々様々なトラブルを引き起こす原因となります。
例えば、建物を売却しようとした際に買主が見つかりにくくなったり、住宅ローンを組む際に金融機関から融資を断られたりする可能性があります。
さらに、相続が発生した場合に、登記簿と現況が異なることで相続人同士の話し合いが複雑化したり、相続登記がスムーズに進まなかったりといった問題も起こり得ます。
増築登記は、このような将来的なリスクを回避し、お客様の不動産が持つ価値や権利をしっかりと守るために非常に重要な手続きなのです。
不動産登記法では、建物の表示に関する登記に変更があった場合、その変更から1ヶ月以内に登記申請を行うことが義務付けられています。
この義務を怠ると、10万円以下の過料に処される可能性もあります。
増築工事が完了したら、速やかに増築登記の手続きを進めることが大切です。

増築したら登記が必要になる理由

増築した場合に登記が必要となるのは、不動産登記法によって建物の物理的な状況に変更があった際には、その変更を登記簿に記録することが義務付けられているからです。
この登記は「建物表題部変更登記」と呼ばれ、建物の所在、家屋番号、種類、構造、床面積などの表示に関する事項を変更するために行われます。
増築によって建物の床面積が増加したり、構造や種類に変更が生じたりした場合、既存の登記簿上の情報と現況が一致しなくなります。
不動産登記制度は、国民の財産である不動産の状況や権利関係を公示することで、取引の安全を図る目的があります。
もし、増築された事実が登記簿に反映されていなければ、登記簿を見ただけではその建物の正確な大きさが分からず、取引をしようとする第三者は正しい情報を得ることができません。
これは不動産取引の安全性を著しく損なうことになります。
例えば、購入希望者が登記簿上の面積を見て購入を決めたものの、実際には増築によって面積が大きく増えており、固定資産税の負担が増えるといった予期せぬ事態が発生する可能性があります。
また、金融機関が住宅ローンを融資する際にも、登記簿上の情報に基づいて担保価値を評価します。
登記簿と現況が異なると、正確な担保価値を判断できず、融資が困難になるケースがほとんどです。
このように、増築登記は、お客様自身の財産を正確に記録し、その価値を保全するためだけでなく、不動産取引に関わる全ての人々が安心して取引を行えるようにするために不可欠な手続きなのです。
増築工事が完了したら、まるで新しい家族が増えたかのように、建物のプロフィールも更新する必要がある、と考えていただけると分かりやすいかもしれません。

増築登記の種類と対象となる工事

増築登記は、正確には「建物表題部変更登記」の一種として扱われます。
この登記が必要となるのは、建物の物理的な状況、特に床面積が増加するような工事が行われた場合です。
一口に「増築」と言っても様々な形態がありますが、例えば、既存の建物の横に部屋を付け足したり、2階建ての建物の屋根裏を改修して居住スペースを増やしたり、サンルームを設置してそれが建物の床面積に算入される場合などが典型的な増築登記の対象となります。
重要なのは、その工事によって建築基準法上の「床面積」が増えるかどうかです。
単に外壁を塗り替えたり、内装をリフォームしたり、キッチンやお風呂を交換したりといった工事は、一般的に建物の床面積を変更しないため、増築登記は必要ありません。
しかし、既存のバルコニーを囲って部屋の一部にしたり、吹き抜け部分に床を張って部屋にしたりといった工事は、見た目はリフォームのようでも床面積が増えるため、増築登記が必要となる場合があります。
判断に迷う場合は、建築士や土地家屋調査士といった専門家に相談することをおすすめします。
また、増築登記の対象となる工事は、適法に行われたものである必要があります。
建築確認申請が必要な規模の増築を行った場合は、建築確認済証と検査済証が発行されていることが前提となります。
違法な増築(無確認増築など)の場合、そもそも登記ができないだけでなく、様々な法的リスクを負うことになりますので、増築を行う際は必ず事前に建築基準法などの関連法規を確認し、必要な手続きを踏むことが重要です。

増築登記をしないと発生するリスクとデメリット

増築登記を行わないまま放置すると、様々なリスクとデメリットに直面することになります。
最も直接的なリスクは、不動産登記法違反による過料の可能性です。
増築工事完了後1ヶ月以内に登記申請を行う義務があるにもかかわらず、これを怠った場合、10万円以下の過料に処せられることがあります。
これは義務違反に対する行政罰であり、登記をしないことによるデメリットに比べれば小さいかもしれませんが、法的な義務を果たさないこと自体が問題です。
より深刻なデメリットは、不動産取引における問題です。
未登記の増築部分がある建物は、登記簿上の情報と現況が一致しないため、取引の対象として敬遠されがちです。
特に、住宅ローンの利用を考えている買主にとっては大きなハードルとなります。
金融機関は登記簿を確認して融資の可否や金額を判断するため、登記簿と現況が異なると正確な担保評価ができず、融資が実行されない可能性が非常に高いです。
これは、将来的に建物を売却したいと考えた際に、買主を見つけにくくし、売却価格も相場より低くなる要因となります。
私自身が関わったケースでは、相続が発生した際に、故人が生前に増築していたにもかかわらず登記をしていなかったため、相続人全員で増築の経緯を確認したり、改めて測量・図面作成・登記申請を行ったりと、通常よりもはるかに時間と手間がかかり、相続手続きが長期化したという事例がありました。
また、未登記の増築部分は固定資産税の課税対象から漏れている場合がありますが、これは脱税状態であり、後から発覚した場合に過去に遡って課税される可能性があります。
登記をしないことによる一時的な費用の節約は、後々の大きなリスクや費用増につながることを理解しておくべきです。
増築登記は、お客様の財産を守り、将来の安心を確保するための投資だと考えるべきでしょう。

増築登記の具体的な方法と流れ

増築登記の具体的な方法は、大きく分けて「自分で申請する」場合と「専門家である土地家屋調査士に依頼する」場合の二通りがあります。
どちらの方法を選択するかによって、手続きの流れや準備するものが異なります。
自分で申請する場合、費用は抑えられますが、専門的な知識が必要となり、書類作成や法務局とのやり取りに手間と時間がかかります。
特に、建物の図面作成は専門的な技術を要するため、一般の方には非常に難しい作業となります。
一方、土地家屋調査士に依頼する場合、費用はかかりますが、煩雑な手続きを全て任せることができ、正確かつ迅速に登記を完了させることが可能です。
多くの方が専門家に依頼する理由もそこにあります。
どちらの方法を選ぶにしても、増築工事が完了した時点から手続きはスタートします。
まず、増築部分の床面積を正確に測量し、建物の全体像が分かる建物図面と、各階の形状や間取りが分かる各階平面図を作成する必要があります。
これらの図面は、法務局が定める厳格な規格に基づいて作成しなければなりません。
また、増築の経緯を証明する書類や、所有者の情報に関する書類なども準備する必要があります。
申請書類一式が揃ったら、建物の所在地を管轄する法務局に申請を行います。
法務局での審査を経て、無事に登記が完了すると、登記簿謄本(登記事項証明書)に増築後の情報が反映されます。
この一連の流れをスムーズに進めるためには、事前にしっかりと準備を進めることが重要です。

自分で申請する場合の手順と必要書類

増築登記を自分で行う場合、費用を抑えられるというメリットはありますが、専門的な知識と多くの手間が必要になります。
まず、最も難易度が高いのが、法務局に提出する建物図面と各階平面図の作成です。
これらの図面は、建物の形状、敷地との位置関係、各階の床面積などを、定められた縮尺と方法で正確に記載する必要があります。
センチメートル単位の正確さが求められるだけでなく、座標の記載が必要な場合もあり、専門的な測量技術や製図の知識がないと非常に困難です。
実際、多くの人がこの図面作成の段階で挫折し、結局専門家に依頼するという

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