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登記簿閲覧方法と閲覧する際の注意点を解説

「登記簿って、なんだか難しそう…」「どうやったら見られるの?」「見ることでどんなことがわかるんだろう?」そんな風に感じていませんか?不動産取引や相続、あるいは会社の情報収集など、日常生活やビジネスのさまざまな場面で「登記簿」という言葉を耳にする機会があるかもしれません。
登記簿には、土地や建物、あるいは会社の重要な情報が詰まっており、それを知ることは非常に有益です。
しかし、その登記簿閲覧方法と閲覧する際の注意点を解説することは、初心者の方にとっては少しハードルが高く感じられるかもしれません。
この記事では、登記簿の基本から、誰でも簡単にできる取得方法、そして知っておくべき注意点まで、専門的な内容を分かりやすく丁寧にご説明します。
これを読めば、登記簿に関する疑問や不安が解消され、自信を持って必要な情報を手に入れられるようになるはずです。

目次

登記簿とは?閲覧することで何がわかるのか

登記簿とは、不動産や会社の重要な情報が記録された公的な帳簿のことです。
法務局によって管理されており、これらの情報を「公示」することで、誰でもその内容を確認できるようになっています。
例えば、土地や建物の登記簿(不動産登記簿)を見れば、その不動産が誰のものであるか、どのような権利(例えば抵当権など)が設定されているかを知ることができます。
また、会社の登記簿(商業・法人登記簿)を見れば、会社の名称、所在地、代表者の氏名、資本金の額、事業目的といった基本的な情報や、役員の就任・退任の履歴などが分かります。
これらの情報は、取引の安全性を確保したり、相続の手続きを進めたり、投資や融資の判断材料にしたりと、様々な目的で活用されています。
登記簿は、私たちの財産や取引に関わる重要な基盤情報を提供してくれる、いわば社会のインフラのようなものと言えるでしょう。
登記簿を通じて、対象となる不動産や会社の「公的な記録」を確認できる点は非常に重要です。

不動産登記簿と商業登記簿の違い

登記簿には、大きく分けて不動産に関する情報が記録された「不動産登記簿」と、会社や法人に関する情報が記録された「商業・法人登記簿」の二種類があります。
不動産登記簿は、土地や建物といった特定の不動産に対して作成され、その物理的な状況(所在、地番、地目、地積、構造、床面積など)や、権利に関する情報(所有者、抵当権、賃借権などの権利の種類、設定日、金額など)が記録されています。
一方、商業・法人登記簿は、株式会社や合同会社などの法人に対して作成され、法人の基本的な情報(商号、本店所在地、事業目的、資本金の額など)や、役員に関する情報(氏名、住所、就任・退任日など)が記録されています。
不動産登記簿は「物(不動産)」に紐づく情報、商業・法人登記簿は「主体(法人)」に紐づく情報が中心であるという点が大きな違いです。
例えば、あなたが家を購入しようとしているなら不動産登記簿を確認する必要がありますし、取引先の会社が実在するか、代表者は誰かを知りたい場合は商業・法人登記簿を確認することになります。
それぞれの目的によって参照すべき登記簿の種類が異なりますので、まずはどちらの情報が必要なのかを明確にすることが大切です。

登記簿から読み取れる重要な情報

登記簿には、一見すると難しそうな専門用語や数字が並んでいますが、その中には非常に価値の高い情報が隠されています。
不動産登記簿の場合、「表題部」を見れば、土地なら所在地、地番、地目(宅地、田、畑など)、地積(面積)が、建物なら所在地、家屋番号、種類(居宅、店舗など)、構造、床面積、建築年月日などが分かります。
これらの情報は、不動産の物理的な同一性を特定するために不可欠です。
そして最も重要なのが「権利部」です。
権利部はさらに「甲区」と「乙区」に分かれています。
甲区には「所有権に関する事項」が記録されており、その不動産の現在の所有者は誰か、いつ、どのような原因(売買、相続など)で所有権を取得したのかが分かります。
乙区には「所有権以外の権利に関する事項」が記録されており、抵当権、根抵当権、地上権、賃借権といった、所有権以外の権利が設定されているか、その内容はどうか(債権額、債務者など)が分かります。
特に、乙区に設定されている抵当権の情報は、その不動産にどれくらいの借金があるのかを知る上で非常に重要な情報です。
商業・法人登記簿であれば、会社の設立年月日、目的、資本金の額、役員構成、発行済株式の総数といった情報から、その会社の規模や事業内容、経営体制などを把握することができます。
これらの情報を読み解くことで、対象となる不動産や会社の現状や過去の経緯を知ることができ、様々な判断の参考になるのです。

誰でも自由に登記簿は閲覧できるのか

登記簿に記録されている情報は、原則として誰でも閲覧・取得することができます。
これは「登記の公示の原則」に基づいています。
つまり、登記された情報は広く一般に公開することで、取引の安全を守ろうという考え方です。
かつては登記簿そのものを閲覧する「閲覧制度」がありましたが、現在は登記簿に記録されている事項を証明した書面である「登記事項証明書」を取得するのが一般的です。
登記事項証明書には、全部の記録が記載された「全部事項証明書」や、現在効力のある記録のみが記載された「現在事項証明書」など、いくつかの種類があります。
不動産の所有者や会社の代表者でなくても、特別な理由や委任状がなくても、手数料を支払えば誰でも必要な登記事項証明書を取得することが可能です。
ただし、取得した情報には個人の氏名や住所といったプライバシーに関わる情報も含まれています。
そのため、取得した情報を不当な目的で利用したり、むやみに第三者に公開したりすることは許されません。
あくまで正当な目的(例:不動産取引の検討、相続手続き、取引先の信用調査など)のために利用することが前提となります。
誰でも取得できるからこそ、その情報の取り扱いには十分な配慮が求められるのです。

登記簿を閲覧・取得する具体的な方法

登記簿の内容を確認したい場合、主に三つの方法があります。
一つはインターネットを利用してオンラインで情報を取得する方法、二つ目は法務局の窓口に出向いて手続きを行う方法、そして三つ目は郵送で申請する方法です。
それぞれの方法には特徴があり、状況や目的に応じて最適な方法を選ぶことができます。
例えば、急いで情報を手に入れたい場合はオンラインや窓口が便利ですし、遠方の不動産の情報を取得したい場合や、窓口に行く時間がない場合は郵送が適しています。
また、単に内容を確認したいだけであればオンラインの「登記情報提供サービス」が手軽ですが、公的な証明書として必要な場合は窓口や郵送、あるいはオンラインの「登記情報オンライン申請システム」を利用して「登記事項証明書」を取得する必要があります。
それぞれの方法の手順や必要なものを事前に把握しておけば、スムーズに手続きを進めることができます。
ここからは、それぞれの具体的な手続きについて詳しく解説していきます。

オンラインでの請求方法と流れ

インターネットを利用して登記情報を取得する方法は、主に二つあります。
「登記情報提供サービス」と「登記情報オンライン申請システム」です。
「登記情報提供サービス」は、登記簿の内容をオンライン上で確認できるサービスです。
法的な証明力はありませんが、内容をすぐに確認したい場合に非常に便利です。
利用には事前登録が必要な場合と、一時利用(登録不要)が可能な場合があります。
サイトにアクセスし、必要な情報を入力して検索・請求すれば、その場で登記情報が表示され、PDF形式でダウンロードすることも可能です。
手数料は、不動産や会社の種類によって異なりますが、窓口での請求よりも安価に設定されています。
一方、「登記情報オンライン申請システム」は、オンラインで登記事項証明書などの交付請求を行うシステムです。
こちらで請求した証明書は、郵送で自宅や指定の場所に送付されるか、指定した法務局で受け取ることができます。
こちらは法的な証明力を持つ登記事項証明書を取得したい場合に利用します。
利用には事前登録が必要で、電子証明書なども必要になる場合があります。
システム上で申請書を作成し、オンラインで送信、手数料を納付するという流れになります。
どちらのサービスも、24時間いつでも申請できるわけではなく、利用できる時間帯が定められていますので、事前に法務局のウェブサイトなどで確認することが重要です。
また、システムの操作方法についても、法務局のサイトに詳しいマニュアルが掲載されていますので、参考にしながら進めると良いでしょう。

法務局の窓口での請求方法と流れ

直接法務局の窓口に出向いて登記情報を取得する方法は、最も確実で、その場で疑問点を質問できるメリットがあります。
最寄りの法務局、または対象となる不動産や会社の本店所在地を管轄する法務局の窓口で手続きを行います。
法務局の窓口には、登記事項証明書などの交付請求書が備え付けられていますので、必要事項を記入します。
不動産の場合は、所在、地番、家屋番号といった情報が必要です。
これらの情報は固定資産税の納税通知書などで確認できます。
会社の場合は、会社法人等番号や商号、本店所在地といった情報が必要です。
記入した請求書と、手数料分の収入印紙を窓口に提出します。
収入印紙は法務局内や近くの郵便局などで購入できます。
窓口が混雑していなければ、比較的短時間で登記事項証明書を受け取ることができます。
窓口で請求する際の重要なポイントは、事前に必要な情報(地番、家屋番号、会社法人等番号など)を正確に把握しておくことです。
これらの情報が不明な場合は、ブルーマップ(地番や家屋番号が記載された地図)や、会社・法人検索サービスなどを利用して調べることができますが、法務局の職員に相談する際は、可能な限りの情報(例:住所、建物の名称など)を提供できるように準備しておくとスムーズです。
また、法務局の窓口は平日の日中しか開いていないため、時間に都合をつける必要があります。
特に月末や午前中は混雑しやすい傾向にあるため、時間に余裕を持って行くか、比較的空いている午後を狙うといった工夫も有効です。

郵送での請求方法と流れ

遠方の不動産や会社の登記情報を取得したい場合や、法務局の窓口に行く時間がない場合は、郵送での請求が便利です。
まず、法務局のウェブサイトから登記事項証明書などの交付請求書様式をダウンロードし、印刷して必要事項を記入します。
記入方法は窓口での請求書と同様です。
不動産の場合は地番や家屋番号、会社の場合は会社法人等番号などを正確に記載します。
次に、手数料分の収入印紙を用意します。
請求書に収入印紙を貼り付け、返信用封筒(切手を貼り、宛名を記入したもの)を同封し、対象の登記情報を管轄する法務局宛てに郵送します。
郵送で請求する際に最も注意すべき点は、請求書への記載漏れや誤り、収入印紙の不足、返信用封筒の不備などがないか、投函前にしっかりと確認することです。
これらの不備があると、法務局から連絡がきたり、手続きに時間がかかったり、最悪の場合は返送されてしまうこともあります。
また、普通郵便ではなく特定記録郵便や簡易書留などで郵送すると、追跡が可能でより安心です。
郵送での請求は、法務局に請求書が到着してから処理されるため、窓口での請求に比べて日数がかかります。
急ぎの場合は他の方法を検討するか、日数に余裕を持って申請することが大切です。
申請書様式は法務局によって若干異なる場合があるため、管轄法務局のサイトから最新のものをダウンロードして利用するようにしましょう。

手数料について

登記簿の情報を取得する際には、手数料がかかります。
この手数料は、取得する情報の種類や、請求する方法によって異なります。
例えば、不動産の登記事項証明書(全部事項証明書や現在事項証明書)を取得する場合、オンラインで請求して郵送または窓口で受け取る場合は1通につき480円、オンラインで請求してオンラインで情報を取得する(登記情報提供サービスの場合)場合は1通につき334円、法務局の窓口や郵送で請求する場合は1通につき600円(いずれも令和5年時点の金額)となっています。
商業・法人登記簿の場合もほぼ同様の手数料がかかります。
これらの手数料は、原則として収入印紙で納付します。
オンライン申請システムを利用する場合は、インターネットバンキングやクレジットカードなどで支払うことも可能です。
手数料を納付する際に特に注意したいのは、必要な収入印紙の金額を間違えないことです。
金額が不足していると手続きが進みません。
また、オンライン申請システムを利用する場合の支払い方法や、登記情報提供サービスの一時利用時の支払い方法(クレジットカード決済など)についても、事前に確認しておくとスムーズです。
登記事項証明書にはいくつかの種類があり、例えば閉鎖された登記簿の証明書(閉鎖事項証明書)や、一部の事項のみを証明する書面などもあり、それぞれ手数料が異なる場合がありますので、必要な証明書の種類と手数料をしっかりと確認することが重要です。
手数料は法改正によって変更される可能性もありますので、常に最新の情報を法務局のウェブサイトで確認するように心がけましょう。

登記簿を閲覧・取得する際の注意点とリスク

登記簿は誰でも自由に閲覧・取得できますが、その情報にはプライバシーに関わる内容が含まれており、取り扱いには十分な注意が必要です。
また、登記簿に記載されている情報が常に最新の「現状」を反映しているとは限らない場合があることも理解しておくべき重要な点です。
これらの注意点やリスクを把握せずに安易に情報を取得・利用すると、思わぬトラブルに巻き込まれたり、法的な問題に発展したりする可能性もゼロではありません。
ここでは、登記簿を閲覧・取得する際に特に気をつけたいポイントと、それに伴うリスクについて詳しく解説します。

記載されている情報のプライバシー性

登記簿には、不動産の所有者の氏名や住所、会社の代表者の氏名や住所といった、個人のプライバシーに関わる情報が明確に記載されています。
これらの情報が公開されているのは、前述の通り「登記の公示の原則」に基づいており、不動産取引や会社との取引を行う第三者が、安心して取引相手やその財産に関する情報を確認できるようにするためです。
しかし、正当な目的のために公開されている情報であっても、その取り扱いには細心の注意が必要です。
例えば、個人的な興味本位で他人の登記情報を取得したり、取得した情報をインターネット上で公開したり、無関係な第三者に安易に提供したりすることは、プライバシー侵害にあたる可能性があります。
特に、最近では個人情報保護に対する意識が高まっていますので、登記情報を取得した目的以外で利用することは厳に慎むべきです。
自分が取得した登記情報がどのように利用されるか、あるいはどこかに流出しないかといった点についても、常に意識を持つことが重要です。

取得した情報の取り扱いに関する注意

登記簿から取得した情報は、その利用目的を明確にし、目的外での利用は避けるべきです。
例えば、不動産を購入しようとしている人が、その物件の所有者や権利関係を確認するために登記情報を取得するのは正当な目的です。
しかし、取得した所有者の住所を使って、その人に無断でダイレクトメールを送ったり、個人的な接触を試みたりすることは、目的外利用にあたる可能性が高く、問題となる可能性があります。
また、取得した登記情報を含む書類を、紛失したり盗まれたりしないように、厳重に管理することも非常に重要です。
特に、複数の不動産や会社の登記情報を扱う機会が多い方や企業は、情報の保管方法や破棄方法についてもルールを定め、徹底する必要があります。
不正競争防止法など、他人の情報を不当に利用することを規制する法律もありますので、安易な情報利用は法的なリスクを伴うことを認識しておくべきです。
取得した情報が、どのような目的に限り利用が許されているのかを常に自問自答し、倫理的な観点からも問題がないか検討することが求められます。

最新の情報であることの確認

登記簿に記載されている内容は、登記申請がされた時点の情報であり、必ずしも「現在の」状況をリアルタイムで反映しているとは限りません。
例えば、不動産の所有者が変わった場合や、抵当権が抹消された場合、会社の役員が変更された場合でも、登記申請がまだ行われていなければ、登記簿には古い情報が記載されたままになっています。
また、建物が増築されたり、土地の地目が変更されたりした場合でも、変更登記が済んでいなければ、登記簿の物理的な状況に関する記載も古いままです。
特に重要な取引を行う際には、取得した登記情報が「最新」のものであることを確認するために、取得年月日を必ずチェックすることが不可欠です。
さらに、登記簿の情報だけで全てを判断するのではなく、現地を確認したり、関係者にヒアリングを行ったり、他の資料(例えば、固定資産税の課税証明書など)

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