登記簿謄本や登記事項証明書の全部事項証明書を取得するときに一番したに共同担保目録という項目がついている登記簿があります。
共同担保目録はぱっと見では表題部や甲区、乙区と異なり意味が理解がしにくく見方がわかりにくい項目です。
今回は登記簿謄本や登記事項証明書の中の全部事項証明書の共同担保目録にわかりやすく詳しく解説したいと思います。
登記簿謄本全体の読み方については「登記簿謄本の読み方について 建物土地登記の違いや表題部甲区乙区について解説」に詳しい解説をしているので読んでみてください。
Contents
共同担保目録とは
共同担保目録とはわかりやすく説明すると「複数の不動産を担保に入れて、住宅ローンや融資を受けるときに、複数の不動産を紐づける項目」です。
例えば住宅ローンを借りるときに「建物と土地を合わせて担保に入れて住宅ローンを借りる場合」や「広い1つの土地が複数の地番に分かれており合わせて融資を受ける場合」などです。
1つ1つの登記簿に対し金融機関も融資をするのではなく、まとめて抵当権を設定したほうが効率的で融資額も大きくできるメリットがあります。
以下にも記載しますが、複数の不動産登記簿を共通化させるキーとして「記号及び番号」があり、共同担保目録に出てくる地番や家屋番号にすべて同じ「記号及び番号」がついています。
地番については「地番について 住所との違いや登記簿謄本取得に必要な地番の調べ方について」に詳しい解説を掲載しています。
共同担保目録の見方
共同担保目録は非常に複雑で登記簿謄本の中でも読み方が難しい箇所です。
しかしながら一つ一つの意味を覚えておくと非常にわかりやすくなります。
以下の項目は共同担保目録で出てくる項目です。
わかりやすく解説しているので一通りの意味合いを理解してみてください。
記号及び番号
共同担保目録の中でも最も重要な項目です。
Aという土地とBという建物をあわせて銀行からお金を借りた場合、AもBも共通の「記号及び番号」が共同担保目録欄に付与されます。
共通して表示されるキーとなる項目でこの「記号及び番号」はもう一か所、お金を借りる場合出てくる抵当権の設定や根抵当権の設定にも同じ「記号及び番号」が表記されます。
調整
共同担保目録のその借入が最初に行われた受付日です。
その日と同じに日付で乙区に同じ「記号及び番号」で抵当権の設定や根抵当権の設定があると思います。
番号
共同担保目録が設定されている番号です。
古い順に1から順に設定されています。
共同担保目録は前後関係性は薄いため一つの番号ごと区切られているとイメージされると分かりやすいと思います。
担保の目的である権利の表示
1つの抵当権や根抵当権でお金を借りるときにほかに共同で担保に入れている不動産の地番や家屋番号です。
「〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目1-1の土地」のような表記で掲載されます。
枝番しか載っていない場合は〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目までは共通で枝番のみが異なっている場合は略されて掲載されている場合もあります。
一般的な住宅の土地の登記簿謄本や登記事項証明書で共同担保目録があり「〇―〇の建物」と表記されている場合、上物の建物が対象だと思って間違いないと思います。
また、価値の小さな土地や建物でも多大な金額を登記簿謄本の乙区で借りていると思った場合、共同担保目録を確認してみると他に価値のある土地や建物の地番家屋番号が表記されていると思います。
この地番や家屋番号から離れた不動産の関連性も読み解くことができ共同担保目録の奥深い箇所だといえます。
順位番号
順位番号はわかりやすく説明すると「もし借りていたお金が返せなくなったらどの金融機関が優先的に債権を回収するのか」という優先順位を決める番号です。
数字が小さいほど優先順位が高いです。
どちらかというとお金を貸す側が気にする番号だといえます。
予備
予備は予備欄なのであまり利用しません。
共同担保目録を見るときには乙区もいっしょに確認してみよう
共同担保目録がある登記簿謄本や登記事項証明書には必ず乙欄があります。
乙欄がなく、共同担保目録だけある登記情報はありません。
また、共同担保目録と乙欄はセットになっています。
どれとどれがセットになっているかは「記号及び番号」を比較するとどれとどれがセットなのかがわかります。
乙欄の場合、記号及び番号は一番右の「権利者その他事項」に掲載されているのでチェックしてみてください。
共同担保目録の文字の下に引かれている下線はなに?
登記簿謄本や登記事項証明書の共同担保目録に時々下線が引かれている場合があります。
これは「抹消」といい、すでに「有効ではない情報」ということです。
共同担保目録の場合、住宅ローンなどを返し終わり担保から外れる場合下線が引かれ抹消されます。
下線については「登記簿の中に記載されている下線の意味は抹消 現在有効ではない登記に引かれる線」により詳しいルールなどが記載されているのであわせて読んでみてください。